手引きGuide 05

マニュアルが更新されない構造を、運用設計で解く

結論

マニュアルが更新されないのは、担当者の怠慢ではなく、更新が続かない構造のせいです。作って終わりにせず、誰が・いつ・どのきっかけで直すかを最初に設計すると、資料は生き続けます。

なぜ、作った直後から古くなるのか

マニュアルは、作った瞬間が最も新しく、あとは現場とずれていきます。手順は改善され、道具は変わり、例外が積み重なります。ところが、直す責任者も、直すきっかけも決まっていないことが多く、気づけば「現場と違う資料」になります。そうなると誰も見なくなり、口伝えに戻ります。

更新を、個人の善意に頼らない

続く仕組みには、三つの要素があります。

一つ目は、責任の所在です。誰がその資料を持つのかを決めます。持ち主がいない資料は、必ず放置されます。

二つ目は、きっかけです。手順が変わったとき、事故やヒヤリがあったとき、新人が入ったとき。更新のトリガーを日常の出来事に紐づけると、思い出す必要がなくなります。

三つ目は、負担の軽さです。直すのに手間がかかる形式だと、続きません。差分だけ直せる粒度、探しやすい置き場所、短い更新手順。ここを軽くしておくことが、継続の前提です。

検索できることが、更新を促す

更新されやすい資料は、よく見られる資料です。必要なときに探して辿り着ける導線があると、現場は資料を使い、ずれに気づき、直す動機が生まれます。整理と検索は、更新の敵ではなく味方です。

運用まで設計する

私たちは、資料を作るところで終わりにせず、更新方法まで含めて設計します。持ち主、きっかけ、直しやすさ。この三つを最初に決めておくことが、承継した知を古びさせないための仕事です。

記録の整流から始める。