手引きGuide 03

岡山の鉄骨建方の現場で、手順を「辿れる」形にした話

結論

鉄骨建方の現場で、617本の部材と142の手順を、互いに辿れる形に構造化しました。部材への手順の割当率は94.8%です。図面と工程が別々に存在していた状態から、「この部材は、どの手順の、どの段階で建つのか」を一つずつ確認できる状態に変えた、という話です。

始まりは、頭の中にある建て順

鉄骨の建方には順番があります。どの柱から立て、どの梁を先に渡し、どこで安定させるか。この順番は、熟練者の頭の中にあります。図面には部材が描かれていますが、「どの順で建てるか」は描かれていません。工程表はありますが、一本一本の部材とはつながっていません。

つまり、部材の情報と手順の情報が、別々の場所にありました。両者をつなぐのは、人の記憶と経験でした。

やったこと

まず、総重量434.0tにおよぶ617部材を、一本ずつ扱えるデータとして構造化しました。次に、142の施工手順を並べ、どの部材がどの手順に属するかを結びつけていきました。結果として、部材の94.8%を手順に割り当てられました。残りは、割り当ての判断そのものを検討対象として可視化しています。

これにより、部材を選べばそれが建つ手順が分かり、手順を選べばそこで建つ部材が分かるようになりました。頭の中にあった建て順が、辿れる形になったということです。

  • 617部材(総重量434.0t)を構造化
  • 142手順の施工手順モデルを生成
  • 部材への手順割当率 94.8%

何が変わるのか

若手が、図面と工程を行き来しながら「なぜこの順なのか」を自分で確認できます。手順の抜けや矛盾が、割り当てられなかった部材として見えます。教える側は、口頭で伝えていた建て順を、指し示せる形で渡せます。

この現場に限らない

部材と手順、図面と工程のように、別々に存在していて人の頭の中でだけつながっている情報は、多くの現場にあります。それを辿れる形にすることが、私たちの仕事です。岡山・中国地方は現地に伺います。

自社の承継リスクを見る。